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2010年以降のBGGランキング100位内のゲームを書き出してみる

 2015年製のゲームのBGGランクイン速度がちょっと異常なんでは…… と呟いてみて調べてみたら結構面白かったので2010年からの6年分を纏めてみた。こういう調査を定期的、定量的に重ねると大変意義深い事業になるようにも思うんだけど、ぼくの場合、思いついた時にやるだけなので、そういう学術的な蓄積は期待できないw あと、基本的にぼく視点でのアングルというか主観的な物語を挟むので書かれている分析はウカツに信じないようにと注記しておくw
 単純に2015年に面白いゲームがいっぱい出たね、というよりは、ランクインの速度がちょっと桁外れなんじゃないの、という方に重きを置いていて「いつものBGGならこういう顔ぶれになるよね」という意味で2014年以前のランクイン作品を並べている。いかにもギークらしいなと感じるのがブラッドレイジだけで、他のギーク臭プンプンなゲームはまだ途上という辺りから2015年の特殊性であったり、あるいは近年のユーザーの増加を感じ取れるのではないかという話。

2015年 8作品
1位 パンデミックレガシー シーズン1
4位 スルージエイジス新版
12位 世界の七不思議対決
17位 コードネーム
21位 ブラッドレイジ
28位 タイムストーリーズ
38位 マルコポーロの旅路
77位 フードチェーンマグネイト

 今最も熱い2015年製ゲーム。注目したいのは上位3作品がどれも続編IPだということ。(スルージエイジス新版は純然たる新版なのでスピンオフ的なパンデミックレガシーや七不思議対決とは若干性格が異なるけども)一昔前まではこうした既存IPの再活用はお世辞にも成功しているとは言いがたかったんだけど(ティカル2とかカルカソンヌ2とか)、近年のパンデミックスピンオフ作品の流行はスピンオフが商売になるほど市場が広がってきたのかなとも感じる。
 つまりユーザーの増大とソフトの増加の混和で、新規ユーザーがゴマンと溢れるソフトを選別するのが困難となり、既存IPの名前を冠したソフトがリーチしやすくなってるんではないかという筋道。
 勿論、パンデミックレガシーも七不思議対決もゲームとして抜群の面白さを備えているからこそBGGの上位にランクインするワケで商業性と面白さは切り分けて考えるべきなんだけど、商業的に成功したからこそ加速度的な票数が得られたという側面もあるので「発売して間もない新作があっという間にBGGランクの上位に」という現象の要因の一つではあると思う。
 ちなみに去年のエッセンスカウトアクションにランクインしたモンバサ、ニッポン、シニョーリエ辺りはまだまだランク100位外を進行中。BGGランキングは本来これぐらいのスピード感が正しいので、もう少し待てば2015年製のゲームのランクインはさらに増えるんじゃないかな。ただ、モンバサ以外はあまり伸び代はなさそう。
 ギーク的にはフォービドゥンスターズ、スターウォーズ:アルマダ、クトゥルフウォーズ辺りがまだまだ伸び代がありそう。こういうゲームが出てくると「ああ、BGGっぽいね」という光景になるかな(それだけ今ランクインしているゲームの得票速度が凄まじいということでもあり)。
 SdJ関連も含めてまだまだユーザーに見出されていないゲームは多いはず。2015年は近年稀に見る当たり年だったのかもしれない。

2014年 16作品
11位 スターウォーズ 帝国の逆襲
23位 デッドオブウィンター
36位 ロールフォーザギャラクシー
40位 パッチワーク
41位 ファイブトライブス
44位 オルレアン
46位 ノイシュヴァンシュタイン城
57位 アルケミスト
59位 レジェンダリーエンカウンターズ
62位 アルルの丘
66位 スターレルム
74位 アルカディアクエスト
81位 宝石の煌めき
87位 インペリアルセトラーズ
89位 ラグランハ
93位 イスタンブール

 ギークの好みと世界的な好みとが交じるとこんな感じになるという好例。SF、ゾンビ、フィギュアが強い2014年はギークの面目躍如の年だ。
 パッチワーク、アルルの丘、スターレルムと言った2人用ゲームが多くランクインしているのも面白い。世界的に2人用ゲームを遊ぶ波が来ているのかも?(と言っても例えばTCGは基本2人用なのでアナログゲーム市場全体では2人用ゲームが主流、という言い方もできる)
 2014年はユーロゲーが弱く、特にエッセン発信のゲームが存在感を示せなかった年でもあって、ユーロゲーの評価は若干弱め。ファイブトライブスはゴールデンギーク賞を受賞するなどしてギーク的には高評価。日本との嗜好の違いが見て取れる。ギークは複雑なアブストラクト風味のゲームも好きだ(ローゼンベルクの諸作を見よ)。ラグランハの人気が本格化したのは2015年に入ってから。
 基本的に新作は評価が高くなるものなので、時間が経過するとマンネリを覚えたり同タイプの新鮮なゲームが出てきて評価が落ち着いていく。なので2014年のゲームが最終的にどのように評価されるかはまだまだ時間をかけてみないとわからない。

2013年 7作品
5位 カヴェルナ
30位 エルドリッチホラー
43位 コンコルディア
50位 ロシア鉄道
58位 ネイションズ
75位 ヴィティカルチャー
91位 ルイスクラーク

 グッと作品数の絞られた2013年。不作だったかと言えばそうでもなくて、ユーロゲーム的には粒が揃っている。要はギークが好きなゲームが少ないというだけの話かもね。ギークの好みは刹那的というか、ランキングをあっと賑わせてスッと消えていくゲームも少なくない。
 ヴィティカルチャーもそうなんだけど、100位ランク外ではユーフォリアやフランシス・ドレイクなどキックのゲームが注目を浴びた年。キック発のゲームはギーク受けはいいんだけど、市場に出回る母数自体は限られるので長期的には沈む傾向があるのかも。
 ぼくの覚えている限りコンコルディアは長い時間をかけてじわじわと評価を上げつつあるゲームで、少なくともKdJノミネート前は2013年のゲームの中でもそれほど評価は高くない方だった。これは間断なく拡張商品を出し続けたことが影響しているのではないかと思う。拡張が続くタイプのゲームは本体の評価が上乗せされる傾向がある。
 まあ、面白いから拡張が出るのであって、この辺は鶏が先か卵が先かという話にもなりかねないんだけど、人気が出る正のループを描けているか、という話はありそう。

2012年 13作品
3位 テラミスティカ
13位 ウォーオブザリング2版
14位 アンドロイド・ネットランナー
18位 ロビンソン・クルーソー呪われた島
22位 ツォルキン
24位 キーフラワー
35位 スターウォーズミニチュアゲーム
37位 ロードオブウォーターディープ
47位 レジスタンスアヴァロン
54位 ディセント2版
64位 シティビルダー
66位 メイジウォーアリーナ
67位 ケメト

 近年最高の当たり年(と勝手にぼくが思っている)2012年からは13作品がランクイン。エッセン発のテラミスティカ、ツォルキン、キーフラワーに好みのもう一つを加えてエッセン四天王と呼び習わす遊びが流行った。マーメス? ギンコポリス? カッラーラ? お好きなものをどうぞ。
 今から振り返るとエッセン発のゲームがとびきり輝いていた稀有な年だったんだけど、4年経った今では残っているユーロゲーは少なくて明暗がはっきり分かれた年だったと言える。まあ、人間は古き良き時代をよりよく覚えているものだけど。結果的にはギーク的色彩の強いゲームのランクインが多い。
 ウォーオブザリングやネットランナー、ディセントは純然たる新作とは言いづらいので若干水増し感はあるんだけども、ドミニオン以降のプレイヤーの人口増を窺わせる。
 ちなみに今では100位ランク外となってしまったが、ラブレターやクーといったフィラーが界隈を賑わせたのもこの年の特徴。ラブレターは最盛期で確か70位くらいまで伸びたと思う。

2011年 9作品
9位 ブルゴーニュ
10位 メイジナイト
15位 エクリプス
49位 トラヤヌス
53位 ゲームオブスローンズ2版
60位 祈り、働け
82位 ロード・オブ・ザ・リングカードゲーム
85位 サマナーウォーズ
88位 村の人生

 村の人生がKdJ&DSPの2冠を獲得したことでユーロのフラグシップに些か不安が募った2011年。その不安がアメゲーとユーロの昇華を予感させる新世代のゲーム、エクリプスへの期待に過剰に転化したという印象がある。
 エクリプスは当時「トワイライトストラグルの牙城を崩すかも!」と期待を抱かせたゲームではあったのだけど、現在では15位に留まる。これはエクリプス自体の限界が露呈したというよりは、エクリプス以降のゲームの進化が著しかった、エクリプスをベースとして新世代のゲームの発展速度が激化したという面も大きかったのではないかと思う。
 9位のブルゴーニュはフェルトの代表的なゲームの一つではあるけども、KdJは推薦リスト止まり、DSPでは世界の七不思議にかち合うなど不運が続いたゲームでもある。数あるフェルトゲーの中でなぜこれ? という疑問には、すなわちギークのダイスゲー大好き属性が見て取れる。
 同じフェルトのトラヤヌスがランクインしている年と考えればフェルトの黄金期の一つと評することもできるだろう。でまあ、フェルトというデザイナーは幾つも黄金期を持っていて、また今後も新たな黄金期を生み出しそうなデザイナーだったりもするのだ。

2010年 4作品
25位 世界の七不思議
28位 ドミナントスピーシーズ
55位 トロワ
94位 ルーンウォーズ

 2010年はちょっと寂しい4作品。まあ、この辺は熱しやすく冷めやすいギークの性向もあるし、2010年以降も新しいユーザーが続々増えているという証左でもある。
 実際のところこの時期の話題の中心は「ドミニオン(2008)の新しい拡張」だったのではないかなあ。ドミニオンフォロワーにリソースが注がれて結果残らなかった年という言い方もできるかもしれない。
 デッキ構築がユーロ的に解釈されるのは2013年を待たなければならないけども、アグリコラ以降のワーカープレイスメントの爛熟期がこの近辺。今からすると粗さを感じさせるところもあるけども、これから何が飛び出てくるのか、新時代の予感を期待させてくれる時期だったような。
 DSPを獲ったのがフレスコだったりもして、やっぱりゲーム好きからすると濃さが物足りない年でもあるけども、2010年前後はユーロとアメゲーが最接近してカオスに満ち満ちた年代だったのだと思う。
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[ 2016年05月30日 21:05 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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