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18番発電所 TOP  >  2014年03月

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ロイヤルターフとワーカープレイスメント

 前回のジジニャーゴの感想で書き忘れてたことが1点ありました。あ、いや、2点かな。
 一つはロイヤルターフとワーカープレイスメントの相性について。ジジニャーゴはロイヤルターフと同様に賭けフェイズとレースフェイズの二段構えになっているんですが、ロイヤルターフの賭けフェイズは基本的に「後手有利」です。
 これはロイヤルターフのシステム上、相乗りが基本戦術で、相乗りするかしないかの決定権を後手番が握っていることに起因します。ロイヤルターフの最終レースでは、スタプレ(その時点で一番獲得金額が大きい人、1位の人)がベットした馬はスルーされるのが常です。切ないw
 単独ベットはリターンも大きいですが…… 回り全てが非協力的なことを考えればゴールは難しいですわね。

 一方でジジニャーゴはワーカープレイスメントです。で、ワーカープレイスメントの特徴は「先手有利」なことです。
 実際、ジジニャーゴの第2、第3レースの賭けフェイズは最下位のプレイヤーから始めるルールになっていて、文面からも先手有利をアピールしています。ここ、興味深いところです。

 元々後手有利なロイヤルターフにワーカープレイスメントを持ち込む際、一番歯車がギシギシ軋んだ部分はここじゃないかなと思うんですよね。まあ、ロイヤルターフのインターフェースはワーカープレイスメントに近しくはあったんですが、根本的に違う部分があります。ソレはなんでしょうか、という話です。

 答えは排他性の有無です。排他性の強弱は様々ですがワーカープレイスメントの根幹たる「早い者勝ち」を実現するにはバーゲンセールよろしく商品が有限でなければなりません。在庫が無限ならそもそも奪い合いは起きないワケです。人が捌けてからゆっくり手を伸ばそう、ってなりますしね。
 で、排他性を持たせるためにジジニャーゴは猫のベットに「プレイヤー人数-1人まで」という制限を設けたんですね。たったこれだけの制限ですが、これでゲームがどう変わるかというと、「自分がベットを避けた猫は次の手番にはもうベットできなくなってる」可能性が生まれたんです。
 ジジニャーゴもロイヤルターフ同様に相乗りが基本戦術のゲームです。そしてロイヤルターフでは常に相乗りするや否やの選択権は後手にありました。が、ジジニャーゴでは逆に相乗りの選択権を先手が強く持っているのです。後手は自分一人だけがハブられる恐怖に怯えることになります。
 まあ、後手が結託して先手をハブることもできるんですが、スタプレはその時点の最下位のプレイヤーなので、「勝ってるプレイヤーと負けてるプレイヤー、協力するならどっち?」というのは、多少のマルチゲーム経験のある方なら簡単に答えの出る設問だと思います。そういうゲームです。
 これがゲームデザインですよね。

 もう一つ、ジジニャーゴはストーンエイジの資材調達よろしく、自分のコマで1匹の猫のベットを埋め尽くすこともできます。なので有力な猫の勝ち猫投票券を先んじて買い占めることもできるんですね。
 が、このルールは現状、機能してるのかなー、どうかなー、というのはちょっとわからなくて。というのは、ベットが埋まった猫はオッズが下がるのでワーカー1個辺りのリターンが小さくなるんですよね。それなら1個1個別の猫にベットした方がオッズ的には得だし、相乗り上等の原則から言っても正しいし…… となって、1匹の猫に集中投下するのは、さて、どうなんだろうという感じです。
 ただこれ、3人で遊んだ時の感覚だからそう思うのかもしれないです。このゲームは人数による出走猫の頭数には変化がないので、人数が少ないと椅子取りが緩くなるんですね。
 フルメンバーだと必然的にどの猫もベットが増えてオッズが下がりますし、そうなると2個3個とワーカーを投入してバックを得る、複勝馬券から単勝馬券に切り替えていくような感じになるのかもしれません。まあ、一度フルメンバーでやってみたいですね、という毎度の結論になるんですがw


 あと、最初に書いた言っておきたいことの2つ目なんですけど、これはゲーム単体の感想というよりはデザインされたimagine GAMESさんの印象なんですけど、今の日本の同人ゲーム界隈でこれだけ強烈なインタラクションをゲームに盛り込む人って珍しいと思うんですね。強烈ってのは言い換えると泥臭いって意味でもあって、凄く今っぽくない。
 これはいい意味なのか悪い意味なのか、って聞かれると答えるのが難しいんですがw 古典的ドイツゲームが好きな人には間違いなく当たりだろうし、そうじゃなくてもっと近代的なゲームが好きだって人にはややもすると乱暴な調整に感じるかもしれません。
 自分はどちらかと言えば近代のスマートなゲームの方が好きです。インタラクションがない、と言い換えられる近代的なゲーム、そもそも近代らしさってなんだ、という定義をすると、一つの方向性として「他人の力を借りずに勝てるゲーム」というのがあります。
 ともあれ、古典的ドイツゲームってのは相乗りで利益を得る手段(正のインタラクション)、出た杭を叩く手段(負のインタラクション)が用意されているので、それを活かして自分ひとりだけの利益を追求するのではなく、自他の調和を図りつつ、勝負どころで抜けだす、と言ったような展開が要求されるワケです。最近のはそーゆーのは考えずに自分の利益だけ追い求めてればええ、みたいなw そういうの多いですよね。
 で、今の日本の同人ゲーム界で古典的ドイツゲームの空気感を一番再現しているのが実はimagine GAMESさんなんじゃないかなと思っています。そういう意味で東京ドイツゲーム賞の受賞は凄く納得してるんですよね。実物見てもいないのにw
 でまあ、そう思うのは、このゲーム単体を見て、というよりも前作の「こびとのくつや」が自分からしてみるとインタラクションが凄まじく強すぎると感じたからで(買わなかった理由の一つもそれで)、この人はそーゆー作風なんだなという印象が前々からあったんですね。元ネタのロイヤルターフもインタラクションはかなり濃厚で、ジジニャーゴは所々にそれを薄める仕掛けはあるんだけども、やっぱりドイツゲーム風に仕上がってます。
 で、何を言いたいかというと、こういうゲームは希少なので、ありがたい話ですよねってことで。もっともっとこういうゲームが増えてくれると自分は嬉しいですw 自分だけかもしらんけどもw
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[ 2014年03月23日 01:56 ] レビュー・感想 | TB(0) | CM(0)
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